Patterns in the wild: a field study of the usability of pattern and pin-based authentication on mobile devices

携帯端末での利用における暗証番号認証とパターンロック認証の利便性(Usability)について評価を行なった論文 (MobileHCI 2013).
測定値自体は暗証番号の方が良い結果なのだが(操作時間や認証成功率)，アンケートによる主観的印象ではパターンロックの方が好まれるという結果になっている．ただし，実験条件には注意を払う必要がある．

書誌情報:
E.v.Zezschwitz, P.Dunphy, A.D.Luca,
“Patterns in the Wild: A Field Study of the Usability ofPattern and PIN-based Authentication on Mobile Devices”
MobileHCI 2013.
ACM DL: https://dl.acm.org/doi/10.1145/2493190.2493231

Abstract

Androidに搭載されているパターンロック認証は利便性と記憶保持負担の点で好ましい属性を持った個人認証だとされているが，日常利用における実験に基づく調査が行われているとは言えない．
本論文では実世界において21日間による調査を行い，以下の洞察(insight)を得た．
実験では暗証番号認証とパターンロックシステムを比較した．
その結果，暗証番号認証は操作時間とエラー率の点でパターンロックよりも良い結果となった(客観的データ)．しかし質的結果としてはこの結果を受け入れつつも，パターンロックのほうを一定程度好むという結果となった．その結果は，簡単さ，フィードバック，そして好みという点で現れた．最も興味深かったのは，パターンロックはundoやcancelといった機能を提供していないにもかかわらず，エラー修正(error recovery=入力ミスによる入力のやり直し)の点で暗証番号よりもパターンロックの方がはるかに良いと評価されたことだった．これは「入力エラーを防ぐべき」か，それとも「入力エラーをしても良い，が，入力のやり直しがすぐにできる」方が良いか？という関係性について１つの洞察を与えていると言える．

Maybe update in near future.
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