"これはよさそう"とその可能性の大きさを感じた! 位置情報界の「米」になるのではと
「GPS内蔵W-SIM」や「スタンドアロンW-SIM」を参考出展 - エイビット(ABIT) (ITmedia)
なんと、WILLCOMのSIMの中にGPS機能を搭載した製品が参考出品されたのである.
この記事を見て気になり、思わず次の日にWILLCOM FOROM & EXPO 2007に行ってきました.
ITmediaの記事によると、GPS内蔵SIMは
- SiRF TechnologyのGPSチップセットを搭載.業界最高性能のGPSチップなんだそうだ
- 一応、ジャケットフォン(電話端末)に装着しての動作確認も進行中
- 測位した位置情報を端末に送るだけでなく、移動ログを残すことも可能
- W-SIMのみで移動情報が取得可能 (電話端末がなくても電源さえ供給されればOK)
- どんなサービスが出るかは、キャリアや端末メーカー、コンテンツプロバイダ次第
- 簡易言語が用意されている.位置情報を定期的に発信可能.位置情報をビーコンとして発信できる.
だって、素晴らしい.
是非、この機能の一般開発者向けへの公開をお願いしたい > WILLCOM
実際に聞いたところ、W-SIMは端末内部に埋まってしまうので、まだ測位には難があるというような話を担当者はしていた.が、このブースにはかなり人が集まっており、注目度が高いのは一目瞭然だった.担当者によると、引き合いは多いらしく、製品化に向けて励みになったとのこと.是非とも変な制約がつかないよう(?)がんばってほしい.
というか、そういうレベルのものではなく、下手すれば、位置情報分野の「米」(ほとんどの製品に搭載される部品という意図)になる可能性があると思ったり.この製品の扱い次第ではWILLCOMの今後を左右しかねないなと個人的には思った.なぜならば、PHSなのでGPSによる位置情報だけでなく、基地局による位置情報も取得できるはずである.このハイブリッドな位置情報取得手段を備えていて、しかもそれがSIMという小さな部品で提供されており、かつ開発環境があるという、現時点ではほぼ完璧といわんばかりの位置情報収集デバイスだと思うからだ.当方がつねづね思うのは、個人レベルでの位置情報の連続記録、すなわちライフログ自体は基地局の位置情報程度で十分であると考えている.ただし、時と場合によっては、正確な位置情報を残しておきたいと思うことがあるであろう.そのときにのみGPSで位置情報を正確に測位し、その位置を残しておけばよいと思うのだ.またPHSの基地局情報が得られるならば、GPSの多くの欠点は補間できることになる.これは本当に素晴らしいぞ! と、一人で興奮してしまったりする.
この他にもEXPOでは、位置情報記録アプライアンス(?)としてWILLCOMの人が定期的に基地局の情報を取得するデバイスを展示していた.電源は乾電池であり、それでも数日間は定期的に位置情報を指定先に送りつづけることができるそうだ.Google Mapsとの連携も実装し、移動履歴をPCで展示していた.PHSは基地局の単位が細かいので、基地局の位置情報でもそれなりの分解能を持つことになるので、サイクリングの記録程度ならば十分面白い結果が得られるとのこと.アプライアンス(?)の大きさもタバコの箱より若干大きいぐらいであった.これも興味深い.WILLCOMはこれから位置情報ビジネスにcommitしますよ〜というあらわれだろうか?
それにしても今回のEXPOで感じたのは、W-SIMがあれば、皮(外見の端末)はなんでもよいという利点を生かし、いろんな展開がありうるのだなというのを今回のEXPOで始めて知った.端末だけ見ると、W-ZERO3以外は微妙な端末ばかりだな〜という印象を受けているのだが、こういう路線をきちんと攻めていけば、いわゆる利用者としての契約者数という指標ではそれほど伸びていかないかもしれないが、いろんな分野で通信機能を提供する機器としてはかなりいけるのではないかという印象を強く受けた.
SIMが実現する新たな世界 - 次世代「W-ZERO3」などコンセプトモデルを多数展示 (ITmedia)