January 13, 2008

行動履歴を使った次世代"生活支援"サービス

行動履歴を参考に生活支援「ケータイ版ライフログ」携帯各社、次世代サービス開発急ぐ (ITmedia)

興味津々である一方で、こういうシステムって怖いと思うことない? と疑問を覚えてしまう自分がいる.

概要が以下のように書かれている.

「「情報大航海プロジェクト」のもとで開発を進める「マイ・ライフ・アシストサービス」は、携帯電話経由で個人の属性やネットアクセス履歴、移動情報、さらには声の抑揚までを収集・分析し、ユーザーが“潜在的に求める”情報やサービスを提供する」

確かに携帯キャリアは,その気と法律的な障害さえなければ,上記のことは容易にできるだろう.でも、そこまでしてまで、そういったサービスをユーザが求めている/将来求めてくるだろうか? 本当にそれはユーザにとって必要なサービスなのだろうか? というのが当方の疑問である.ま、少なくとも当方は現時点で必要としていないし、将来もそこまでしてまで、そういったサービスを望む可能性は極めて少ないと思う.

記事内にはこうも書かれている

- NTTドコモは情報を収集・分析し、利用者の許諾を得て情報の分析結果を他の事業者に有償で提供する...
- KDDIも携帯端末を使った生活支援サービスの研究を進めている. (途中略). 利用者が自身の生活情報を記録し、そのデータをサーバーで集める.ユーザー自身が日記代わりに使ったり、一定量を公開して他のユーザーと交流したりする。またNTTドコモと同様に、蓄積されたデータを分析し、商用サービスの提供などにもつなげる考え

と....利用者が自身の生活情報を自分で使えるようにするのは一定の価値があると考えるが,それをキャリアのサーバで集積し、解析して、商用サービスに提供することを望まない人も少なからずいるだろう.

当然ながら,こういったサービスは、当初、利用者の許諾の上で始められるだろう.が、怖いのは,こういったサービスが普及するとデフォルトの設定が「第三者への提供を許可する」という設定になる可能性が高いという点である.すると、それを認識していないユーザが、自分の生活行動データを知らぬ間に第三者に提供され、知らないうちに「あなたが次にしたいと思っていることはこれではないですか?」などと携帯電話から言われたら... それはぞっとする経験だと思うのですが,みなさんはどう考えますか?

すでにそのようなプロジェクトが始まっている以上、日本という国は物事を中断/中止することをよしとしない(?)ので、せめて、選択の余地(生活情報提供の可否に関し、利用者が常に主体となって選択できること)とデフォルトの設定は常に提供不可という状況だけは大原則としてあって欲しいと、我、切に願う


Posted by z at January 13, 2008 04:29 AM