研究者が知っておくべき、経済産業省(METI) 発行の資料として以下の2点を紹介します。
– 技術戦略マップ 2010
- 我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向 (2010年は第10版 - 通称青本)
どちらも毎年更新されて発刊されており、冊子体の他、Webページを通じて電子媒体が公開されています。
一つ目の技術戦略マップは、経産省 技環局 研究開発課が担当し、策定している資料で、
「国家的に重要な産業技術のロードマップを俯瞰する「技術戦略マップ」を策定・公表しています。技術戦略マップは、各分野とも、①導入シナリオ、②必要となる技術の俯瞰マップ、③重要技術のロードマップ、の3層で構成されています。」という資料です。これらは産学官の専門家を集めた作業グループ(延べ数百人)で、毎年改訂作業を行っている資料であり、日本の産業界が将来どういう技術を必要とするか、また開発すべきかという観点で技術の方向性をまとめたものです。この資料は経済産業省やNEDOの研究開発マネジメントで活用されるほか、産業界でビジョンや技術的課題を共有するため、また異分野、異業種の連携、技術の融合等、イノベーションの推進にも寄与しうる資料と考えられています。
というわけで、幅広い技術分野の方向性についてまとめられた資料なので、紙媒体だと2分冊のうえ、分厚い資料になるのですが、電子媒体でも見ることができます。少なくとも自分が研究対象としている分野について、本省や産業界がどのようなことを考え、将来性を見通しているのかについて知っておくことは研究者にとって損となることではないかと思います。またこの資料をブラッシュアップする方法について、ご意見やご提案も受け付けているので、研究畑でやるのは困難だけど、今後の日本の発展のためにこういうことを調査して欲しい。という意見がありましたら、是非とも声をあげて頂ければと思います。
- 「技術戦略マップ2010」の策定について - 2010/06/14
- 技術戦略マップ2010について
もう一つは「我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向-主要指標と調査データ-第10版」で、経産省 産業技術環境局 技術調査室が発刊している資料である。こちらは、さまざまなデータが掲載されている資料と言え、研究者にとっても馴染みやすい。こちらは紙冊子でも厚さ1cm程度で、ぱらぱらと見られる。個人的にも興味深く「へぇ〜」と思うことしたりである。この資料もWebページで電子媒体版が公開されているので、一度見ておくとよいと思われる。いろんな資料を書く時などに様々なデータが有効利用できるだろう。