June 28, 2004

CircleView - A New Approach for Visualizing Time-related Mutidimensional Data Sets

Daniel A.Keim, Jorn Schneidewind, Mike Sips,
"CircleView - A New Approach for Visualizing Time-related Multidimensional Data Sets",
Advanced Visual Interface - AVI2004, pp.179--184, , May 2004.
ACM Digital Library

時間をキーとして参照可能な多次元情報の視覚化システムであるCircleViewに関する論文.
CircleViewは階層構造情報の視覚化(Ex. treemap)と円形表示(Ex. Pie Chart and Circle Segments)を組み合わせた視覚化手法である.

このシステムの主たる目的は,時間に応じて変化するデータ集合からパターンや例外,そして類似性を認識できるようにすることである.またこのシステムは対話的操作も可能であり,探索的なデータ解析も支援できる。また類似性や順序付けアルゴリズムを応用することでデータの相関や例外部位の調査機能も持ちあわせている.

論文の内容を大雑把に書いておく

時間情報を持つ情報の視覚化システムは多く提案されているが,それらは時々刻々変化するデータの動的特徴を捕らえる手段を与えていない.このようなデータの場合,実時間におけるパターンを見せることが重要であると同時に,全データ時間帯におけるイベント履歴を保持し,見せることができる必要がある.

本研究では,これまでの考察を元に、設計上の着眼点として以下の点に留意し、念頭においたシステム設計を行う

1. top level view (最上位からの表示)
2. highlighting of important information (最重要情報のハイライト化)
3. interactivity (対話性)
4. details on demand and drill down (必要に応じて詳細を提示,さらなる詳細化)
5. continuous data stream displays (連続したデータ流の表示)
6. intuitiveness of the visulization method (直感的な視覚的表示)
7. comparison of data stream attributes (データ流の属性比較)

探索的な情報解析(EDA: Exploratory Data Analysis)は以下のような3つのステップで行われる - (これについてはSHNEIDERMAN著のInformation Seeking Mantra:という参照があった)

1. まず概略を見て(Overview first)
2. フィルタと注目をし(zooming and filtering),
3. そして必要に応じて詳細を見る(details-on-demand)

視覚化方法は,混乱を避けるため単純化されている。基本形は円であり、円周方向に視覚化対象の情報の属性値の数分だけ分割する(ケーキ切り).つまり6次元の情報であれば6分割する.また半径方向には時間を割り当て(つまり時間軸は円の半径軸に沿っている),適当な時間間隔ごとに分割してマスを作り、その各マスに情報を表示する.データの詳細を見たい時には,ある時間帯を表すマスを選択する.するとマスを区切っている時間間隔が変更され,さらに詳細な時間間隔でデータが表示されることになり、結果としてデータの詳細を見ることができるようになる.なお各マスの色によってデータ(集約値/要約値)を表している.

相関やパターンを発見するためには,類似しているマスが近くにあることがユーザにとっては望ましい.類似したマスを探し、並べ替えることが必要だが,そのためには類似しているマスを探し出すことが必要である.その方法としてはいくつかの手法がある(discrete Fourier transformやwavelet)が,その手段の詳細は触れない.ここでの主張は,Circle Viewは表示の順番を変えることができ,マス目間での類似性発見を支援できるようになっているということである.

属性値の時間変化を把握するのは簡単である.新たなデータが得られると表示はリアルタイムに変化する.図4の例ではこれまでのデータが円の中心方向に移動し,新しいデータが円の最外周に追加されていくのを見ることができる.もちろん,リアルタイムに表示をデータの更新に自動追従させてもいいし,静的表示にして過去の情報を閲覧することもできる.

また単一CircleView表示の拡張として複数のCircleViewを表示し,その情報の種別やカテゴリーに応じて情報を再構成し,それぞれのViewに割り当て表示するとともに,その重要さに応じて円の大きさを変更することで,複数の多次元情報の情報提示を行うことも可能である.

本論文ではCircleViewという新しい対話的視覚化システムを提案した.この手法はTreeMapなどに代表される階層的情報の視覚化技術と Pie ChartやCircle Segmentなどに代表される円形配置の手法を組み合わせた手法である.本手法の主たる目的は連続して得られるデータの特徴変化を比較できるようにし,パターンの認識,例外や類似性の発見を支援することである.CircleViewは対話機能を提供しており,ユーザの要望に応じて詳細情報を見ることを可能にしており,探索的なデータ解析を可能にしている.また類似及び順序づけアルゴリズムの利用により,データの相関や例外の探索能力も有している.

Posted by z at June 28, 2004 03:10 AM