May 30, 2007

ウイルス情報iPedia(ウイルス情報データベース)をIPAが公開

IPA(情報処理推進機構)が、ウィルスやボットに関する動作内容や対処法に関する情報をデータベース化して公開したそうです.

Webデータベース「ウイルス情報iPedia」
https://isec.ipa.go.jp/zha-virusdb/web/Top.php

これ自体は有意義なことだと思うが、このニュースを見て、そして実際にほんの少しだけiPediaを使ってみて思ったことは「このままでは、このシステムを有効活用できる人はごく一部の人に限られるのではないだろうか?」ということである.

このシステムを利用するには、ウィルスの名前を利用前に知っていることが大前提になっているように感じる(もちろん、そうでない可能性もあるが、少なくとも当方が受けた印象はそうである).だとすると、ウィルスに感染したが、それがなんのウィルスかを調べたい人にとって、このシステムは有用ではないように感じたのだ.

また、ウィルス名かそのウィルスに関するなんらかのキーワードを得ていれば,iPediaでなくてもそのウィルスに関する調査は可能である.製品を作成しているウィルスベンダーのWebを調べた方が、情報の公開も迅速だと思われるし、その内容も詳細ではないかと思ってしまった.

とすると、このiPediaがターゲットとするユーザは一体誰なんだろう? と疑問になったのである.

もちろん、「ウィルス博物館」としての意義はあるかもしれない.が、セキュリティ対策としての価値は疑問に思う.少なくとも既存のウィルス対策ソフトですでに対策済みであり、Do not careになっているウィルスの情報を検索してまで知ろうという人がどれだけいるのかも疑問である.
# まったくいないとは言わないが...

ただ、これがウィルスではなくボットになると話は変わってくるも思う.
できればウィルスとボットは情報を分割し、別の形で情報提供をして頂ければなと思う.

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Posted by z at May 30, 2007 03:22 AM